カルラ・ソフィア・ガスコンが、トランスジェンダーを公表している俳優として初めてアカデミー賞にノミネートされた。彼女が主演を務めるジャック・オーディアール監督の『エミリア・ペレス』は、麻薬王エミリア(カルラ)が死を偽装し、性別適合手術を受けるために弁護士のリタ(ゾーイ・サルダナ)の助けを借りる物語。本作のお披露目となった昨年のカンヌ国際映画祭で、彼女はゾーイとセレーナ・ゴメスとともに女優賞を獲得したほか、今年のゴールデン・グローブ賞で主演女優賞にノミネートされ、いずれもトランスジェンダーとして初の快挙を果たしている。
『エミリア・ペレス』は第97回アカデミー賞で主演女優賞のほか、作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞、国際長編映画賞など、最多12部門13ノミネートを獲得している。ゴールデン・グローブ賞では、『ANORA アノーラ』と『チャレンジャーズ』、『リアル・ペイン~心の旅~』、『サブスタンス』、『ウィキッド ふたりの魔女』を抑えて作品賞(コメディ&ミュージカル)など4部門に輝いた。
作品賞を受賞する際、ステージでオーディアール監督からマイクを手渡されたカルラは、社会から疎外されているコミュニティに向け、力強いメッセージを送った。「光は常に闇に勝ります。捕えられようとも、殴られようとも、私たちの魂や反骨心、尊厳を奪うことはできません。声を上げましょう。私は私、自分が何者であるか知ってください」
第97回アカデミー賞の授賞式は3月2日(現地時間時間)、ハリウッドのドルビー・シアターにて、コナン・オブライエンの司会で開催される。
Text: Tae Terai
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